TOEICのスコアアップは必要?商社で働いた私が感じた本当のビジネス英語
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英語
TOEICのスコアはあなたにとって本当に必要?
私が学生だった頃は、TOEICテストで高いスコアを取ることが一つのステータスみたいになっていました。
今でもそういう風潮があるような気がします。
でもそれって本当に意味があるのかな~?と思うのです。
例えば就職や転職で、一つの”アピール”としてTOEICを何度も受けている人が多くいます。
今どき学生時代に留学経験のある人は山ほどいて、TOEICでハイスコア(仮に900以上)を取っている人もかなり多いのが現実。
正直、中途半端なスコアをとっても差が付きません!!
むしろ留学経験やTOEICのある程度のスコアは「あって当然」くらいです。
私の周りにも、元々英語が苦手でTOEICのテキストをたくさん買って、何度も受験している人がいました。
でも目標が「〇〇点以上取ること」になっていて、その先に何もないので「??」と思ってしまいました。
誰かに強要されているわけでもなければ、英語を使って何かしたいという目標があるわけでもないのに。
かなりの労力とお金(受験料・テキスト代)がかかるので、ただ「周りがやっているから」という理由で続けているのはもったいないですよね?!
ぜひ一度もっと長い目で考えてみましょう。
どんな目的で英語の勉強をするかでまったくやり方が変わってきます。
英語を仕事で本格的に使いたいのか?将来海外で生活するのか?自分の趣味として向上させたいのか?
大学時代に英語専攻で学び、仕事で英語を使っていた自分の経験を踏まえ、考えてみたいと思います。
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まず何のために英語を学ぶのか考える
「英語が苦手だから」「外国人と話せるようになりたいから」いろんな理由があると思います。
今どきは小さい頃から英会話スクールに行ったり、小中学校でも英会話の時間が増え、日本の全体的な英語力はアップしているのかなと思います。
でも方向性を間違えると、思っているような英語力は身に付きません。
まずは自分が何をめざして習得したいのかをしっかり決めることが大切です。
そもそもTOEICは、英語によるコミュニケーションの総合力をはかるとされていますが、多くの人が受けるのがListening &Reading testのみ。
リスニング45分間とリーディング75分間だけのテスト(しかもマークシート)です。
もちろんこれができたからと言って、”使える英語力”は身に付きません。
TOEFLではWritingとSpeakingも加わり総合力ではTOEICよりも充実していますが、受験料が$235と高いせいかまだあまり浸透していません…
TOEICはあくまでビジネスで使う文書を扱うので、日常会話は身に付きません。
就職・転職で「堅い英語を使った仕事をする」場合にはぴったりですが、実際そういう仕事に就く人はごくわずか。
もしそういう目標でないなら、軌道修正したほうが本当に必要な力が身に付きます。
グローバル企業で勤めていた私の経験
私は地元の大学の英米学科を卒業後、総合商社に就職しました。
配属されたのは北米担当のチームで、英語で現地とやり取りをする毎日。
仕事を通して広い世界と関わりたくてその企業に就職したので、その部署に配属されたのはラッキーでした。
世界中に支店があり、一年中色々な国や地域から来客があるまさにグローバルな環境です。
まず戸惑ったのは、それまで身に付けてきた英語はほぼ役立たずだったこと。
周りの社員は帰国子女が多く、TOEIC満点なんて普通、全然レベルが違ってショックでした。
大学4年間かなりの時間英語に触れてきて、TOEICでもそれなりのスコアを取って…
そのほとんどがそこでは無意味だったのです。
一体今まで何をしてきたんだろう…と落ち込みました。
勉強してきたことは求められていなかった!
もちろん「英語を使う仕事」と言っても職種や会社によって様々ですが、TOEICで学ぶ「文法」や「語順」なんて本当に使えないと痛感。
電話ではフランクな日常会話ができないと良い関係を築けない、メールでも堅い文章を打つことなんて一度もない。
とにかく忙しい中で、簡潔に要点をまとめたコミュニケーションが必要なので、そういったスキルの方がよっぽど必要。
メールはできるだけ端的にわざとカジュアルに打ちます。
だって相手側の打ってくるメールは、語順も文法も時制もグチャグチャ。(笑)
文法が完璧な”ちゃんとした文章”なんて求められていないことがよく分かりました。
TOEICを振り返ると、多少役立った部分はボキャブラリーと読解力(速読)くらい…
きっと同じような挫折を味わった人も多くいるはずです。
大切だと感じたのは、フランクなコミュニケーション能力と形式にとらわれすぎない柔軟性。
まじめにテキストをずっと勉強してきた人より、海外ドラマ好きな人のほうが「デキるビジネスマン」になれるはずです。
本当に使える英語を習得する方法
堅い英語の文章を扱う事務仕事であれば、TOEICなどを使ってそういったビジネス文書に多く触れることは大切です。
そうではなく「海外旅行に行ったときに話せるスキルがほしい」「駐在や出張の可能性があるから」という人は、ぜひもっと実践的に使える英語を習得して下さい。
私は現実にぶち当たってから、方向性を変えてまた勉強を始めました。
海外ドラマを見る
簡単で始めやすい勉強法は、海外ドラマを多く見ること。
もちろん映画でも良いですが、シリーズもののドラマはとにかく長いので、その分何気ないちょっとした日常会話が多いのが特徴。
聞き流しているだけでも、TOEICのリスニングテストをしているよりよほど”使える英語”が身に付きます(初めは字幕でOKです)。
簡単なフレーズから少しずつでよいので、フランクな会話をモノにすれば絶対に使う機会があります。
書き出して、何度も口に出すことですぐに習得できます。
ストーリーがあるとセリフとして覚えることができるので頭に入りやすいですよね。
気になるドラマから始めてみてはいかがでしょうか?
ラジオを聞く
リスニング力をつけるには、日本語の教材(ラジオ)ではなく”ALL ENGLISH”のコンテンツを聞くようにします。
もちろん分からなくても良いので、通学・通勤中に聞き流して馴らします。
Podcastでは色々なコンテンツがダウンロードできるので、そこから選ぶのがおすすめです。
調べると、無料でもとにかく使えるコンテンツがいっぱいあって驚きます!
”日本人向けの英語”ではなく普通のネイティブの会話を難なく聞き取るまでには、時間がかかります。
自分がこれ!と思う素材を、辛抱強く聞き続けることでスキルがついてきます。
実際に英語を使う場に行く
ある程度基礎ができたら、実際に英語を使える場に行きます。
海外旅行へ行けば話せる機会が多いので、私は食事でもホテルでも積極的に話すようにしています。
「伝わった!」とか「これが言えなかった・・・」という経験は強く印象に残るからです。
失敗は当たり前なので、恥は捨てましょう!
留学がすべてではなく、ボランティアや就職活動の一環で海外へ行くチャンスもあります。
私自身も経済的な理由で留学ができませんでしたが、海外一人旅などを通して失敗の経験(=勉強)を積んできました。
日本にいても外国人が多い観光地へ行ったり、Pubに行ったり…実践する方法は探せばたくさんあります。
実践する回数を増やすことが大事なので、どんどん機会を見つけて行きましょう。
Podcastはかなり使えるツール!
上記でご紹介した中でも、Podcastは手始めに知っておきたいツールです。
そもそもPodcastとは、ネット版ラジオみたいなイメージですね。
今まではFM/AMを聞いていたのが、スマホ・PCで音楽やラジオのコンテンツを聞くようになった人が多いと思います。
ちなみにiPodがなくても、WindowsでもMacでもPC上で手軽に聴くことができます。
ipodやiphoneが無くても使えるので安心です。
★Podcastがおすすめな理由
・”生放送”のコンテンツではないので、蓄積していけばいつでも好きなときに聞くことができる。ラジオのように毎回決まった時間に聞かなくても、自分が選 んだ番組の最新版が自動的に入ってくる。
・整理が簡単にできる(済んだコンテンツの削除・最新コンテンツの追加)。
・とにかくコンテンツが多く、英語教材としてだけでなく価値の高い番組が多い。
・幅広い年代・目的にあったコンテンツがあり、高校生からビジネスマン・趣味の英会話習得までとにかく使える。
無料コンテンツでも勉強教材としては十分活躍してくれます。
「日常会話」「TOEIC」「ビジネス英語」など、目的にあわせたキーワードで探してみましょう!
https://itunes.apple.com/jp/genre/podcast-jiao-yu-yan-yukosu/id1469?mt=2
概要の説明・カスタマーレビューまでついていて、イメージがしやすいのも嬉しいところです。
「リスナーはこれらも購読しています」という参考情報もあるので、そこから辿っていけば使えそうなコンテンツはいくつでも見つかるはずです!
無料のものはどんどん試聴して、自分に合うかどうか判断することは大切です。
英語の授業などでも経験してきたと思いますが、クセのあるスピーカー(話し手)はけっこういます。
聞いていてイライラすることもありますよね。(笑)
回ごとの長さや配信頻度などもコンテンツによって全然違うので注意しましょう!
おすすめしたいPodcastコンテンツ
実際に私が商社に入社してから使ったコンテンツをいくつか紹介します。
スピードがあまり早すぎず、長さが短めなので少しの時間でも聞きやすいと思います。
気に入ったものがあれば、スマホのアプリにどんどん入れておきましょう♪
BBC WORLD NEWS 6MINUTES English
6分間という短さから、慣れていない人でも苦にならず集中して聴けます。
BBCじたいはイギリスのニュース番組で世界的にも有名ですが、このコンテンツは
小ネタについての会話という感じ。
社会的な難しいニュースではなく、身の回りの小ネタがトピックになるので、日常会話などでも使えるようになります。こんな言い方覚えておこう!という語彙力が身に付きます。
Learning English Broadcast – Voice of America
ボキャブラリーのレベルも高くなく、短いセンテンスが多いので、聞きやすいです。
話すスピードもゆっくりで、学校の英語の先生みたいな感覚。
聞いてみよう!という気持ちになれるはずです!
単語もある程度しっかり聞き取れるくらいのレベルです。
毎日配信されるので、辛抱して1か月聞き続ければだいぶ耳が慣れてきます。
アメリカの国内ネタや世界のニュースについてなので、時事的な勉強になります。
Down to Business English: Business News to Inprove your business English
第二言語として英語を習得したい人向けに作られていて、聞きやすくトレンドなトピックが多いので、イメージしやすいと思います。
ビジネスでの場で実用的な会話をメインにしているようですが、日常会話でもかなり使える内容です。
留学やビジネスで海外で生活する人には、会話の掛け合いのフレーズなども勉強になります。
まとめ
英語習得=「留学」「TOEIC」が中心になりがちですが、それを否定するわけではなく、まず本来の目的を見直してほしいということです。
ただみんながやっているという理由で時間とお金を割いても、その先使えるスキルでなければもったいないですよね。
今までそういう人を多く見てきて、「何のために勉強しているの?」と友達に聞いてきました。
すると、自分に必要なのはこんな勉強ではないんだと気づきます。
もちろん幅広く勉強していくことは大切で、無駄なことはないですが、限られた時間の中であれもこれもはできません。
学生でも社会人でも、勉強や就職活動・仕事の合間を使ってやるなら本当に使える英語を見極めてやりましょう。
会社からの条件でボーダーが決められている場合は、それをクリアする努力は必要ですが、それだけにとらわれないことが大切です。
どんな場でどんな英語スキルが求められるかをよく考えて(調べて)、自分がそこに到達したのをイメージしてみるとよいかもしれません。
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