仕事がつらい、辞めたい人はとにかくこの漫画だけ読んで欲しい
「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由
「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由
こんなタイトルの本を本屋で見つけて、つい手に取ってみました。
タイトルのインパクトとは対照的に、中身は意外にもゆるいキャラクターが描かれた漫画。
過労死やうつの人が増えている世の中。
本当に嘆かわしいなと感じる一方で、なんでその前に逃げなかったの・・・?と思ってしまうことがありました。
この本では、そんな心理的な部分を、精神科医・ゆうきゆうさん(『マンガで分かる心療内科』シリーズ)が監修・執筆しています。
究極まで行くと、逃げるという判断ができないほど追い込まれてしまうんですね。
まじめな人ほど周囲の反応を気にして、自分のするべき選択ができなくなってしまうといいます。
私も数年前、過労により心も体も限界になった時期がありました。
でもこの本を読むと、私はその”究極”の一歩手前で踏みとどまっていたように思います。
私には「いつ辞めてもいい」「これ以上私を追い込んだら辞めてやる!」くらいの気持ちがあったからです。
周りにもそれをオープンにしていました。
でも実際には、簡単にそう考えることができない人がたくさんいると思います。
仕事や会社に追いつめられている人、家族や周りにそういう人がいればぜひこの本を読んでみてください。
この本の概要と、私自身が経験した激務を通した意見を書いてみます。
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誰のために働いているの?
うつやストレスが原因の病気になってしまう人は、まじめで努力家な人が多いと言われますよね。
まじめな人は、肩の力を抜くことができず、なんとしてもやり遂げようとするところがあります。
もっと深く考えてみると、
まじめな人=自分に厳しい=他人にも気を遣いすぎる
だと思うんです。
・上司や先輩の期待に応えなきゃいけない
・今まで築いてきたお客様との信頼関係を壊したくない
・親に心配をかけたくない
そんな理由で、激務のわりに大して意欲もないやりがいを感じられない仕事を続ける。
こんな人が追い込まれやすいんですね・・・
誰のために働いているのか?この仕事をとおして自分が得ているものは何か?
自分の心の声を置いて、”他の誰か”のためにが中心にはなっていませんか?
たとえ激務でも、「死ぬほどやりがいのある仕事」「ずっと長年憧れていた仕事」だとしたら、ストレスの感じ方も違うと思います。
鈍感になってみる
鈍感になることって大切です。
とくにいつも周りを気にしすぎてしまう人。
・先輩が残業してるから私もしなければ・・・
・上司が有給取ってないから自分も取れない
これもまじめな人にありがちですが、これって冷静に考えたらムダな気遣いで、本来要らないものですよね。
「こう思われたどうしよう」とか「嫌われたらどうしよう」とか。
それを気にしているだけで、行動が制限されてしまうんですよね。
私が3年目のときに超ツワモノ新入社員が入ってきて、私はその子に鈍感力のすごさを学んだのです。(笑)
・誰よりも遅く出社して、定時後はすぐに帰る
・先輩よりも有給休暇を消化している
・イベントにもなるべく関わらない
先輩たちの目にはとことん鈍感で、どこまでも図太い彼女は最強だな~と。
パフォーマンスも悪くなく、限られた時間でしっかりやるべきことは片付けるけど、求められること以上はしない。
気持ち的には、それくらいデーンと構えていないとなー!と思いました。
組織の中である程度の協調性はもちろん必要ですが、「みんなが帰らないから帰れない」という無駄なルールは打ち破ってしまいましょう!
いつ辞めたっていい!という心持ち
私は大学卒業後、総合商社に入社しました。
いつも戦場のような殺伐とした環境で、やりがいもなく、誰かの幸せや笑顔のために頑張る!という仕事ではありませんでした。
B to B の仕事だったため、一般のお客さんと接するわけではないので、とくに最終的な成果が見えないということもありますね。
激務ではありましたが、会社じたいは規模が大きく、ブラック企業かと言うとそうでもないかもしれません。
たまたま私のいた部署がそうだっただけです。
少数精鋭のため、まわりにあまり迷惑はかけられないという責任感はあります。
4年目になると中心メンバーとして期待もされるようになり、仕事の量がどんどん増え、いつまで私ここにいるんだろう~といつも考えていました。
でも実際「誰でもできる仕事」だと冷静に見ている自分がいました。
だからいつでも逃げることはできる!という考えだったのです。
周りの同期や仲の良い先輩には、「いつ辞めるかわからないですよ~」とチラつかせていました。
それによって”電撃退社”を防ぐことができるからです。
もちろん転職なんてしたことないし、自信があったわけではありません。
でも世の中にはいろんな仕事があって、会社があるんだから、今より悪くなることはよっぽどないだろうな~と思ったんです。
それもタイミングと覚悟、努力しだいなんですけどね。
私は結局、計画的に退社することができました。
明日やれることは明日やる
そのタイミングの見極めが難しいですよね、“一歩手前”で見切りをつけないといけないので。
いつがそのタイミングなのか・・・
ゆうきゆうさんによると「月80時間の残業が続いたら」という一つの目安を挙げられています。
もちろん「月80時間の時間外労働」と言っても、その質は人それぞれ。
私の場合は、月80時間~100時間の残業を何度も経験しました。
営業事務の仕事で、内勤がメインでたまに同行で外出、それでも月80時間近いとだいぶ辛いものがありました。
「今日やれることはやっておかなきゃ!」というマインドで取り組んでいたので、いっこうに帰ることができないんです。
同じような方いるのではないでしょうか?
仕事がルーティンではなくイレギュラー対応が多かったので、「今日のうちにやっておかないと、明日何が起こるか分からない」というプレッシャーにいつも追われていたんですね。
でもこの考えを変えてみました。
「明日やれることは明日やろう!」と思うだけで、びっくりするくらい気持ちが軽くなりました。
これってけっこうシンプルですが、大事なことですね。
マインドを切り替えてみることで、だいぶ世界が変ってくるはずです。
”学習性無力感”に注意
この本では、苦しくてどうしようもない会社なのに辞めることを”あきらめてしまう”人を、サーカスの象を例にとってあげています。
小さい頃は足につけられた鎖を取れない象。
大きくなって力も強くなってくると、自力で取って逃げられるはずなのに、それをしようとない象。
「抵抗しても無駄だ」というインプットがされてしまうそうです。
これを学習性無力感といいます。
長年同じ会社で激務をしていると、同じようなマインドになってしまうんですね。
逃げるという行動を起こせなくなってしまうということですね。
もし上司や組織から不当な扱いを受けているのであれば、「どこに行っても自分はこんな立場なんだ」と思い込んで、諦めてしまうことも。
今のうちに見直したい働き方
本当にその仕事を続けるべきか?それは自分にとって良い成果があるのか?他の仕事では得られないのか?など、
まだ正常な判断ができるうちに、幅広く考えてみることが大切です。
一度立ち止まってみることはとても大切です。
激務に流されて自分の気持ちと向き合えず、とにかく突き進んでいる人も多いからです。
休みを取って時間をつくり、しっかり考えてみることを早めにするべきだと思います。
私もそういう時間をとって、これは自分にとって良い選択ではない!という結論になりました。
家族や周りの人に心配をかけたくないと思いがちですが、無理して心も擦り切れるほど働いてる姿を見て、本当に喜んでくれる人はいないはずです。
自分がボロボロになってしまう前に、勇気をもって退職という選択を考えてみてはいかがでしょうか?
本の紹介
まとめ
某大手企業社員の過労による自殺について、今でもニュースで取り上げられていますよね。
「そこまで自分を追い込む必要はあったのか?」など厳しい声もありますが、この本を読むとそんな心理が分かる気がします。
この本は厳しい内容ではなく、心に寄り添ってくれるようなやさしい本です。
「自分と同じ人がたくさんいる」「自分はまさにこれなんだ!」と気づくことがたくさんあるはずです。
もし自分ではなく、家族や大切な人が悩んでいるとしたら、その気持ちを理解できるような気がします。
今の仕事環境に疑問を感じている方や、このままでは心も体もやられそうと思ってしまう方。
一度この本を読んでみて、手遅れになる前に早いうちに行動を起こしてほしいと思います。
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